ルゲタロウのブログ

バイク好きのオジサンの工作とツーリングの日記です。

アクロンマービック AKRONT MARVIC 2ピースホイールのお勉強

今回は知ってるようで知らないアクロンマービックのお話です。

皆さんご存じのスポークホイールにアルミH断面リム、といえばアクロンのリムを思い浮かべるでしょうけど、スペインの有名なリムとか作ってる会社です。

 

そのアクロンのリムに、マルケジーニさんが立ち上げたマービックレーシングホイールのマグネシウム製の3本スポークをネジ止めして完成させた2ピースホイールが、DUCATIの数台の限定生産されたオートバイに装着されていますね。

 

そのアクロンマービックが最初に登場したのは86年、モンジュイです。

限定200台生産されて日本国内にやって来たのが126台といわれています。

 

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Montjuichフロント 3.5-16 12/60-16 リア4.25-16 18/67-16

リムには内側にリブが立てられており、そこにピッタリ嵌る溝がスポークに刻まれています。

特殊なボルトとナットで締結されてます。

このスポークを組むためにリブには3か所、スポークを入れる為の切り欠きが施されており内一か所にエアバルブ用の穴加工がなされています。

 

このMontjuichのホイールの切り欠きは前後共にスポークの直前に加工されています。

 

次にアクロンマービックが装着されたのは同じく限定車サンタモニカです。

88年に発売されました。

(87年に登場したラグナセカには何故か重いオスカム製のアロイホイールが採用されていた)

サンタモニカに装着されたアクロンマービックもモンジュイ用と見た目は変わらずでしたが、フロント3.5-16 130/60-16 リア4.5-16 160/60-16 とリアホイールは0.25インチ幅広になっていました。

当時はタイヤの開発が激しく、目まぐるしくサイズの変更等行われていた時代なので、これもその中の一つの進化なのでしょうね!

 

時を同じくして同88年、水冷4バルブの851STRADA-1がデビューしています。

 

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拾い画像ですが、851STRADA-1のホイールです。

サンタモニカと同時期でハイパワーの水冷で フロント3.5-16 130/60-16 リア5.0-16 160/60-16 タイヤサイズは同じながらリアのリム幅のみ 4.5→5.0に広げられています。

バンクした時の接地面とかの変化を狙ったんでしょうかね?

 

翌年89年から90年にかけて 400SSjrが登場 中型免許が狙い目の日本市場に豪華なパーツをたくさん装着してやってきましたが、アクロンマービックも取り付けられていました。

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はい、400SSjrのフロントのデビューした頃の写真です。

3.5-16 130/60-16 でサイズは他車と変わらず、切り欠きの位置も同じですね!

 

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400SSjrのリアの同じ車体の写真です。

5.0-16 160/60-16 と400ccですが、なんとビックリ851STRADA-1と同じ組み合わせです!

しかも・・・切り欠きの位置がスポークの中間に変わっていますね!!!

 

どうやら、この89-90年を境に切り欠きの位置を見直しているようなのです。

 

あくまでもオラの推測ですが強度的な問題や製造ミスの防止の為などの何らかの理由で、88年までは切り欠き位置はスポークの直前、それ以降は在庫が尽き次第中間に移動したのではないでしょうか。

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↑ 3.5-16 5.0-16 の前後ホイール 両方ともに切り欠きは中間。

いったい何処でこうなったの?

 

なので400SSjrの個体によって、切り欠き位置が中央や直前にあるものが混ざっています。

 

では、その他のアクロンマービックはどうかというと・・・

 

ビモータのdb1にも採用されていました。

具体的にはdb1はプレス打ち抜きの合わせホイール(コムスター型)ですが、後に登場するハイパワー版のdb1sr 87にはアクロンマービックが装着されています。

分からなかったのですが、Yui様に教えていただきました!

フロント3.5-16 リア4.25-16 で、切り欠き位置はスポークの直前と、モンジュイと同じ物と思われます。

Yui様ありがとうがざいました(^ ^)

 

同じくビモータのYB5 86-88 にも少し変わったアクロンマービックが装着されてました。

 

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ヤマハのFJ1200のエンジンが搭載された格好の良いオートバイ。

フロント 3.5-18 

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リア 4.25-18

と、前後18インチを採用しています。

ここで注目して欲しいのがリブの形状です!スポークの締結部分は他のアクロンリムと同様に高い位置までリブが残っていますが、ほかの部分は4分の1くらいまで低く削られています。
そして、直前のスポークを入れる為の部分はリブを完全に落としてますね!

 

モンジュイ  3.5-16 4.25-16

サンタモニカ 3.5-16 4.5-16

851STRADA-1 3.5-16 5.0-16

↑ここまでは凡そ切り欠きは直前

400SSjr 3.5-16 5.0-16

↑ここだけごちゃ混ぜで後の方は中央???

 

あ、そして忘れてはいけないのが・・・

92年に登場した900SL-1です。

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フロント 3.5-17 リア 5.5-17

何故か17インチになるとスポークは傾斜せずにホイールセンターに垂直に向かうデザインに変更されて、ここからは完全に切り欠きが中間になっています。

 

さて、オラのアクロンマービックは・・・

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フロント 3.5-16 切り欠きは直前

 

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問題のリア 5.0-16 切り欠きが直前の旧タイプ???

 

って事は、400SSjr又は851STRADA-1に装着されていた物で間違いなさそうですね~!

 

ということで、分かったような?やっぱり良く分からなかったアクロンマービックの歴史、種類についてでした~( ̄▽ ̄;)